僕のオリジナル曲には、サウンドやハーモニーの美しさに憧れて作ったものが多いのですが、それは聴いてきた音楽のエッセンスが自然に取り込まれた結果のように思います。
コラムであげているアーティストをご覧いただければわかるように、ヨーロピアンテイストと言われるのはそのせいでしょう。
ヨーロピアンジャズにはスインギーな曲は少ないですが、時にはビバップ、4ビートにこだわってインプロヴァイズができる曲を書いてみたりと、その時に聴いていた“マイブーム”の音楽に触発されてきた結果、今の自分の音楽があるように思います。
また一方で、学生時代は70年代以降のポップスやロックをたくさん聴き、感動したことも多かったので、僕の作品は決して難解ではなく、聴きやすいメロディだと思います。
単に美しいだけでなく、聴き手の琴線に触れるような音楽、これが僕の常に目標にしている事です。 僕は自らの作品をSongbookにまとめていますが、見てわかるように、オリジナル曲は完璧な楽譜になってるのではなく、あくまでも、スタンダードと同じような一段楽譜で演奏しています。
ジャズである限り、クラシックにはないアドリブ、即興的アプローチ、現場でのひらめきも大切にクリエイトしたいと思っているので、楽譜はクラシックのように複雑でなく、自由度をもたせるため、あえて「シンプル」です。
いわゆる「オーソドックスなジャズ」とは違うこのような近代的で美しいクリエイティブなジャズもあることを、ライブやCDで多くの人に伝えて行きたいと思っています。
宮下博行― HIROYUKI MIYASHITA
大阪出身のJAZZピアニスト。作曲・編曲も行なう。
数多くのオリジナル曲と、JAZZスタンダードのアレンジを収録したアルバムを発売。
ヨーロピアンサウンドと評されるの美しいピアノで多くの人を魅了し続けている。
ライブ活動は関西が中心だが、年に数回関東でも行っている。